「ナイフの
柄にワイヤーがつけてあったんだ。
これでカマイタチの説明もつく」
「ああ、そして二つの切断方法が生まれる」
二つの……切断?
シャマルによると、投げて切る場合。
よけたはずのナイフの機動、つまりワイヤーが風などで獄寺側に曲がって
ベルと間にあるワイヤーが内側に切れ込んで傷つけるパターン。
そしてもう一方が設置型。壁にナイフをさすことでワイヤーを貼れる。
それがそのまま目に見えづらい切断機となり獄寺を傷つける。
「あいつはナイフとワイヤーの両刀づかいだ」
シャマルの言葉に相手がただの頭がおかしいだけじゃなくて
策もねれるだけでなく、その技術力が半端ないことに圧倒される。
それが私達とあまり年が変わらないんでしょ?――天才って言葉じゃ足りない。
むしろ殺しのために生まれて来たとでも言わんばかりじゃない。
しかし私達の心配をよそに獄寺はさらに機転をきかしていた。
こぼした火薬を導火線にし、ワイヤーを設置していた本棚ごと爆破する。
張り巡らされていたワイヤーもたわんだ。
ツナも私も歓声をあげた。ワイヤーが使えなければ同じ飛び道具でも獄寺のボムの方が強いはず。
ボムがベルにめがけて飛んでとてつもない爆風をおこす。
ダメおしでロケットボムも飛び、
追撃するように爆発した。
これなら勝ったかもしれない。
不安からではなく勝利の
興奮ではやる
鼓動をおさえながら
ハリケーンタービンが爆発するまえに逃げてと案じた。
177(431)
→|
back
彷徨いアリス