「ナイフのにワイヤーがつけてあったんだ。
これでカマイタチの説明もつく」

「ああ、そして二つの切断方法が生まれる」

二つの……切断?

シャマルによると、投げて切る場合。
よけたはずのナイフの機動、つまりワイヤーが風などで獄寺側に曲がって
ベルと間にあるワイヤーが内側に切れ込んで傷つけるパターン。

そしてもう一方が設置型。壁にナイフをさすことでワイヤーを貼れる。
それがそのまま目に見えづらい切断機となり獄寺を傷つける。

「あいつはナイフとワイヤーの両刀づかいだ」

シャマルの言葉に相手がただの頭がおかしいだけじゃなくて
策もねれるだけでなく、その技術力が半端ないことに圧倒される。
それが私達とあまり年が変わらないんでしょ?――天才って言葉じゃ足りない。
むしろ殺しのために生まれて来たとでも言わんばかりじゃない。

しかし私達の心配をよそに獄寺はさらに機転をきかしていた。
こぼした火薬を導火線にし、ワイヤーを設置していた本棚ごと爆破する。
張り巡らされていたワイヤーもたわんだ。
ツナも私も歓声をあげた。ワイヤーが使えなければ同じ飛び道具でも獄寺のボムの方が強いはず。

ボムがベルにめがけて飛んでとてつもない爆風をおこす。
ダメおしでロケットボムも飛び、追撃ついげきするように爆発した。
これなら勝ったかもしれない。

不安からではなく勝利の興奮こうふんではやる鼓動こどうをおさえながら
ハリケーンタービンが爆発するまえに逃げてと案じた。



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彷徨いアリス