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「おや……目覚めましたか?――囚(とら)われの眠り姫♪」

キィンッと金属音(きんぞくおん)が響きあう中、痛む頭を振って意識を集中させる。


「んっ………ぎゃあっ!!」

急に誰かが私の縛られてる柱の真横の壁に吹き飛ばされ、凄い音を立ててめり込んだ。

細かい塵(ちり)の混じった砂煙(すなけむり)が立つ。思わず身体を硬直(こうちょく)させてギュッと目を閉じると
急に頭を誰かに優しく撫(な)でられたような感覚がした。それに安心し、少しだけ硬直をとく。


煙がやみ、目を開けると見慣れた少年が、まだ砂埃(すなぼこり)の舞う中
頭から血を流しながらフラフラと起ち上がったので息をのんだ。

「ひっ……雲雀さん!?」

え、今撫でたのは……そう考えると何だか今まで我慢(がまん)していたものがこみ上げ泣きそうになるが
彼の傷ついた体に我に返ると小さく悲鳴をあげた。
鎖を何とか解(と)こうと、乙女らしからぬ野太い声をあげて身をよじるも、全くびくともしない。

「ほらね……美緒(アレ)はそんな可愛(かわい)いものじゃないよ」

フンッといつものように余裕(よゆう)の笑みを浮かべて、チラリと私を見た。

前言撤回(ぜんげんてっかい)。泣かないで良かった。

つられて、骸も見る。二人の視線に居たたまれずに
アハッと鎖を解く手をとめてほほ笑むと二人とも笑いだした。

なっ……何だよ。二人が美形だからって……ちくしょう。
得意の困り顔スマイルの上に怒りマークをつけ、脳内(のうない)で呪いの言葉を呟(つぶや)く。



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彷徨いアリス