お話しませう
「ここに居た!!」
ふぅと息をはいて見上げれば、静かに足を組んで待っていた雲雀。
「私、並盛中の生徒じゃないから…校舎の構造把握していないんですよ。
せめてどこで待っているかくらい教えて欲しかった」
あ、でも方向音痴の常習犯だから聞いてたところで迷うの目に見えてるな。
ぶつぶつ愚痴ると、意外にも聞こえていたのか素直に彼はごめんと一言謝罪した。
その様子に面食らい、別の意味で汗が伝う。
「あっあの…話ってなんですか?」
沈黙に耐えきれずに、喉から絞りだすように問いかける。
雲雀は座っていたベンチに座るように静かに促した。
「……何で距離をあけているんだい?」
「…逆にわかりません?」
眉を下げながら見上げると、彼は一瞬だけ口をつぐんだ。
しかしすぐにまぁいいかと話題を変える。
そのメンタルの強さ欲しいなぁ。あ、でもこの人の場合は単純に興味がないのか。
「単刀直入に聞くけど、君は何者?」
黒い、まるで純度の高い黒曜石に見つめられているよう。
私は言葉の意味が分からず、小首をかしげれば彼は警戒するように瞳をスゥッと細め声を低くした。
185(431)
→|
back
彷徨いアリス