「君が来てから…僕の周りでは問題ばかり起きているからね」

言葉につまる。確かに自分が並盛に転校してから1年も経たずに骸の一件からリング争奪戦まで
私を取り巻く範囲内のゴタゴタぶりはすさまじい。
彼はもしかしてそれらの全てを私のせいじゃないかと責めているのかと思い
その美しいかんばせをそっと顔を伺えば、相変わらずポーカーフェイスで考えが読めない。
けれど、多分だけど機嫌が悪そうにも見えないことから内心安堵した。
その問いは単純な疑問……?それとも好奇心?

そう思うとなんだか子供っぽくて乾いた笑いがもれる。

「私も…分からないですよ」

諦めたように、けれども少しだけ震えた声に気づかれないように
いつものように困り眉を作りながらフッと笑みを浮かべた。

「雲雀さんが望んだ回答かは分かりません。――でも多分ですが
私も雲雀さんもきっと巻き込まれてしまっただけだと思うんです。
たまたま偶然その場に居合わせてしまった被害者なんだと……
私はいつも考えて落ち込んでしまいます」

考え出すときりがない。何度もよぎらないわけがなかった。
どうして私の行く先々でこんな事件ばかり起きるのか?
私が疫病神なのだろうか?そんな考えは世界の守護者だと言われた日から
無意識かつ深層心理の奥深くで、ぐるぐると渦巻いて
今ではいつか私を飲み込んでしまいそうなほど不安と恐怖の水かさは増すばかり。

自分を責める声は絶えず聞こえ続け、自分に絶望する心の痛みには慣れることはない。



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彷徨いアリス