「どうして僕にと聞いたら…詳しそうに見えたってさ。
まぁ、それは当たってるよ。だって僕の町だからね」

僕の町という言葉にはつっこまないでおこうと思い、続きの言葉をまつ。

「道を教えた後、僕に不良がつっかかってきたんだ。
僕も噛み殺してやろうかと思ったけど、君が慌てて飛んできて
何か早口で叫んでいたよ。――結局あっちが気味悪がって逃げてった」

不良……あぁ、絡まれて怖かったことを思い出す。
あれ、私につっかかってきたんだと思った。
外国にいた時たまに差別的な言葉を言って来る生徒もいたから
日本に来てまでなんで絡まれるんだよと久しぶりに切れて英語でわめいた覚えがある。

「君は…震えてた。自分の倍以上の相手に挑んで勝手に僕を背にしてかばうように…。
僕は……守られた事はないからね」

「勝手にすみませんでした」

余計なお世話でしたねとチラッと顔を見れば、彼は少し困った顔で笑った。

「僕は並盛にきたばかりと聞いていたからてっきり印象を悪くしたかと思ったけど
君はいつもみたいに震えながら笑って幸先は悪いけど、でも最初に出会えたのが優しい人でよかった。
あなたがいるならこの町もきっといい所ですねって言ったんだ」



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彷徨いアリス