あの後、私は雲雀さんと別れをつげて家に帰った。
帰ろうとして雲雀さんの家に戻るかとも聞かれたけど
秒速で断ったのは言わずもがなだ。

次は確か雨の試合。スクアーロという人と山本か。
あの女の私ですら惚れ惚れするような美しく手入れのされた銀髪ストレートヘアに
ご近所迷惑なオペラ歌手並みの声量で山本を挑発しまくって帰った男。

ここまで考えれば超絶ださいうえにどこの劇団ひとりだよとツッコミたくなるが
あれだけ啖呵きってた彼の実力は本物。なんせ一度私達は町中で負けてるから。

胃が痛くなってきた。山本は大丈夫なのかなぁ。
これで負けたら私達はこの勝負終わることになる。
みんな分かってると思いたいけど、でも誰も口には出さなかった。
それは山本を信じているからとも受け止められるけど、逆に彼が試合前
余計にプレッシャーを感じないようにという配慮とも受け止められる。

ふと足がとまった。
そうか……そうだよな。

負けたら終わりなんだよ……。

「っははっ…」

苦しくて大きく息をつこうとしたが、なんだか笑いもこみあげてきた。
だって、負けたら私は……?そう考えると泣きそうな顔で笑うしかなかった。



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彷徨いアリス