明晩、慌てて会場に向かえばすでに試合が始まっていた。
ホテルで待機していたらしいボンゴレ関係者から並中まで
運転してもらい会場についたはいいものの……。

ここにくるまでかなり妨害されて疲れた。
ボンゴレ側は今日で勝敗が決まると覚悟し、みすみす景品である
私を現地に行かせまいと抵抗してたので会場入りが遅れてしまった。

何度も危なくなったらすぐに車まで逃げるように念を押されてため息をつく。
彼の口ぶりからは恐らく今日で負けが確定すると思っているであろうことが伺える。
同じボンゴレって言っても山本を信じているのはもしかするとツナ達だけで
多くがどこか諦めモードなのかも知れないと考えて悲しくなった。

確かに……負けた時のことが頭をよぎらないわけではなかったけど。
でも、山本を……友人なら最後まで信じたいという気持ちだって
私からすればウソではない。

だからこそ、彼らの心遣いは嬉しい反面……少し悲しくなる。
それに本当に負ければいくら車で逃げたとしても
すぐ捕まってしまうだろう。

それでも逃がしたいのは、恐らくリングは厳しいが、私のことだけでもどうにか
最後まで匿って抵抗することで、引き渡すまでの時間を稼ごうというつもりなのかも知れない。

そんなことしたって意味があるとは思えないけどね。
処刑台に行くまで猶予が伸びたようなものだ。
その抵抗でなんとか数日の猶予が与えられたとしても……
ストレスでハゲそうな予感しかしない。

運転手は最後まで心配してくれたけど、目つきがおだやかじゃない人もチラホラいた。
もしかするとヴァリアーに渡す前にどこかのマフィアにで
も先に売りつける算段でいる人もいるのか。

心配そうな眼差しと、どこかギラギラした視線が入り混じって
会場につくまでも安らぐことはできなかった。



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彷徨いアリス