「スクアーロはやられて倒れたんじゃない。
みずから後ろに飛んだんだ!!」
「そっそんなことって!?」
ツナの叫びに同意するように私もスクアーロを凝視する。
「あんな早い太刀筋を一瞬で見切ったっていうの…?」
「やつに動きを読まれていたとしか考えられねぇナ」
私達は攻撃があたって思いっきり背中から倒れたと勘違いしただけだった。
近くにいたバジルもまさかとリボーンの言葉に抗議する。
しかしリボーンの瞳はスクアーロ達からぶれることはなかった。
まるでスクアーロなら山本の攻撃を見切って当然だとでも言わんばかりに落ち着いている。
「一つ
腑に落ちないことがある……貴様、なぜ今の
一太刀に
刃ではなく
峰をつかったァ!?」
スクアーロの問いに、一同ざわついた。
「
峰打ちにしたってこと……?」
私の疑問にディーノやリボーンが補足する。
どうやら
五月雨をあてる瞬間、
咄嗟に刃の向きを逆に切り替えたらしい。
その事実に、山本に対して心の中で様々な疑念がわいてきた。
相手を傷つけたくない?……そんな風に優しさだけで勝てると思っているのかと。
山本の優しさは好きだし、あの人なつっこく明るいところは尊敬するけど
でも……それで大けがしたり最悪死ぬかもしれないのに……なぜ刀を向けない?
色んな疑問がよぎったが、でも心の中で一つだけ導き出した答えがある。
それは山本に無事で生還してほしい……ただそれだけ。
だからこそ山本には刃を向ける覚悟をして欲しいと思うのかも知れない。
だって私も相手を殺したいとも思わないし、そこまでして守護者のリングは欲しいと思わないから。
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彷徨いアリス