「だれに話してるの?」

声に弾かれるように、さきほどまでしばりあげていた先をみれば
少女がバスケットボールの籠に変わっている。

「どっどういうこと!?」

「幻覚だぞコラ!!」

「互いに譲ることなくマボロシを作り出す。息もつかせぬ騙し合い。
こんなすげぇ戦いは滅多にみられるもんじゃねぇゾ」

マーモンが宙に浮かぶ。頭には蛇が尾をくわえてさながら天使の輪のようだ。

ツナ達はアルコバレーノがどうとか話してる。
私は話してる内容の半分も理解できなかったが、とんでもない相手ということは理解できた。

どうか、あの少女が大きなケガをしませんように。
一度誘拐されたとはいえ、あの時も私を気遣ってくれたし
なによりあの子自身……そんなに悪い人に見えない。
私がお人よしなのかも知れないけど、でも同年代の女の子は傷ついてほしくないのが本音。

浮いたマーモンに対して、クロームは飛びながら応戦する。
けれど人が飛べる距離なんて限界がある。ことごとく交わされる攻撃に
私までなぜか焦りながら、どうにかマーモンの動きを封じられたらと願ったその瞬間。
クロームが宙を割くように三叉槍をふるうと、マーモンの後ろに別次元の空間があらわれ
中からおびただしい黒い蛇が出てきて、赤ん坊の身体を締め付けた。

「これは…幻術じゃない?」

流石のマーモンもあわてている。
ツナや獄寺はこの技に心当たりがあるようで、しきりに骸がと何かを確認していた。

「火柱が…こおった!?」



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彷徨いアリス