彼女の身体が霧につつまれていく。
その瞬間、なぜか寒気が体を駆け抜けた。
言い知れぬ恐怖がやってくるように。

「「くる」」

ツナと重なるように呟いた言葉。
私は確信を持てなかったが、ツナはハッキリと六道骸がくると告げた。

マーモンも男の声に違和感を覚えたその瞬間。
割れた地面の衝撃で吹き飛ばされた。

「ずいぶんと粋がってるではありませんか」

あの声、あの口調……はれた霧の中から浮かぶシルエットに思わず身震いした。

「お久しぶりです。――舞い戻ってきましたよ。輪廻の果てより」

「六道骸…思い出したよ。確かヴィンデェチェの牢獄から一か月前脱獄に失敗した…」

脱獄ー!?え、今駆けつけてくれてうれしいけど……脱獄はヤバいでしょ。
前回の拉致られて、なんらかの術をかけようとした経緯は忘れてないからね‼

そりゃ、マーモンのいうような音も光も届かないような
最下層に閉じ込められているという情報は可哀想だし
流石にそこまでの罰を与えたいわけじゃないけど……
一か月間道路のゴミ拾いとかでいいから、前回の一件を悔い改めることはしてほしい。

マーモンはクロームにかけた幻覚の一種だと思っている。
でも、あの感じとか……幻覚にしてはリアルすぎない?
いや、さっきから幻覚にたいしてリアルだなとしか思ってないけど
でも……なんだろうな。――この人独特のオーラとかの感じ?

こればかりは幻覚じゃないような気がしてならなかった。



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彷徨いアリス