「ボンゴレが誇るヴァリアーの暗殺もうも…たかが知れてますね」

確かに、骸の言うとおり……彼はここにいる。
目の前にいる彼も本物にしか見えない。
でも、先ほどクロームが見せていた幻術だって私からすれば本物にしか見えなかった。

ますます頭が混乱してくる。

「めんどくさい奴だなぁ」

マーモンはハッキリさせると宣言すると、ゆっくりと宙に舞った。
マーモンからすれば、今の骸はクロームにとりついた幻覚でしかないと思っている。
あの顔をかくすようなフードから激しいブリザードが飛び出した。

あたり一面、何も見えなくなるほどの吹雪に襲われる。

「さむいっ」

ギャラリーのコチラも例外なく吹雪に見舞われ、各々が悲鳴をあげたり
なんとか直接顔にあたる冷風を防ごうと腕でガードの姿勢をとる。

「幻覚で出来た術士に負けてあげるほど…ボクはお人好しじゃないんだ」

吹雪の向こうでマーモンの言葉が響く。
骸……いや、クロームは大丈夫かなと何とか冷風をガードしつつ
チラチラ視界の悪い中、うかがえば……ぼんやり見えた彼は微動びどうだにしていない。

しかも、そのままマーモンに氷づけにされてしまった。
彼は動くどころか悲鳴も、焦りも見せない。
その姿にコチラも幻覚かと声があがったが、チラリとツナを見れば
幻覚だと思っていないような、焦った顔だった。



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彷徨いアリス