私の正直な反応が面白かったのか、彼は一瞬ポカンとした後
すぐクフフと面白いものでも見るように目を細めながら
ゆっくりと顎に指先をかけ、視線をあげさせた。
「お嬢さん。見えているものだけが全てではありません。
こうして君に触れている僕だって…幻かも知れない」
顎から離れた指先は、赤い林檎のような少女の愛らしい頬を滑る。
ツナが何してんだよと真っ赤な顔でつっこんで
ようやく骸は失礼したと言わんばかりのリアクションをした後に手を離した。
私も何か言ってやりたかったが、あまりの妖艶さに面食らって
真っ赤な顔で口をパクパクさせることしか出来なかった。
骸いわく、マーモンは初めから逃走するためのエネルギーは残していたらしい。
つまり、ずっと敵は本気で勝負する気はなかったということか。
なんというか……あの赤ん坊
守銭奴なだけじゃなくてとんでもなく……。
「「抜け目ない」」…あっ」
骸と言葉が被って、思わずお互いの顔を見やると彼も私も少し苦笑した。
一応は殺していないということにホッとしたのもつかの間
敵陣営のボス、ザンザスが試合終了後にマーモンを消せと機械の男に命令していたので
ヒッと息をのんだ。――負けたからってそこまでする!?
「やれやれ…全く君はマフィアの闇そのものですねザンザス。
君の考えている恐ろしい企てには…僕すら
畏怖の念を感じますよ」
骸の言葉に、ザンザスの顔は不快そうに歪んだ。
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彷徨いアリス