モスカの真実

両者の攻撃がやみ、煙の向こうから見えてきたのはツナだった。

いつもの垂(た)れ目で困り顔とは違う。凜々しい表情で
グローブを構(かま)える彼に、本能的に分かった。――強くなったんだと。

「カスから順に消えていく。それにかわりはねぇ」

ザンザスの無情な発言に息を飲んだが次の瞬間目があった彼の発言に
さらに凍り付いた。

「テメェはくれぐれも即死はするなよ」

もちろん、気づかっての発言ではない。
彼は補足するように、もっとも手足くらいなら吹っ飛んでも構わないと続けたからだ。

よ……ようは手足がなくても生きていれば景品だから充分ってこと!?
その言葉に、私はもう何も言えず仲間だけは抗議の声を荒げてくれた。
私を庇(かば)うように、みんなが安心しろと守りに入る。

まるで喉(のど)がつまったように、ありがとうと言おうとしたが
言葉が出せなかった私の頭上(ずじょう)を人が飛び立った。



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彷徨いアリス