『思イ、我、聞キ届ケタ
也』
頭が……痛くて割れそうな感覚が一瞬おこった後、独特の
浮遊感が私の身体を満たしていった。
頭に誰かの言葉が入ってきた気がするけど……誰だろう。
ぼんやりとそう思いながら、
伏せた瞳をあげると視界にはぶわっと炎が広がっているのが見えた。
私はグラデーションのかかった淡く揺れる炎を身体から放っていた。
辺りがぶわあっと炎に包まれていく。雲雀と骸も目を見張る中。
私は気絶しそうなほどの虹の炎のなかで、ただただ
呆然としていた。
「な……にこれ」
恐怖で声が
掠れる。熱い、と脳が警告しているのに
触れてる部分は全然熱さを感じない。それどころか……。
私を縛り付けた鎖が燃えて焼け落ちるように、
消滅した。
そこでハッと我に返って私は急いで雲雀に近づく。
骸はずっと考えこむように、呆然と立ち
尽くしていたがやがて何かを思い出したかのように
ゆっくりとこちらに近づいてきた。
傷ついた少年を背に私はサッと震える身体を差し出した。
「こ……これ以上はもうやめて下さい」
後ろで雲雀のどいてよ、という声を無視しつつ震える短い腕を精いっぱい伸ばして
骸に静止を
促すも、彼はまるで子供が新しいおもちゃを見つけたような笑みを浮かべた。
「まさか……本当に
実在するとは……」
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彷徨いアリス