「もう…お前の拳に炎が灯されることはない。
――お前の負けだ。ザンザス」

しかしザンザスはなおも抵抗を続けた。
凍らされた拳ごと足にたたきつけて氷を折ろうともがく。
何度かたたきつけ、少し砕けた氷の中から死ぬ気の炎が漏れ出てきた。

それをツナに見せつけるように構え、まだやれるぞと不敵な笑みを浮かべる男。
しかしツナだけが穏やかに、どこか悲しそうな目でザンザスを見つめる。

「これ以上やるなら……九代目につけられた…その傷ではすまないぞ」

誰もが息をのむ。思ってもみなかった展開とツナの言葉。
九代目が……零地点突破をザンザスに?

「だからまるで零地点突破を知っていたように口にしていたんだ」

全てに合点がいく。一度食らっていた技なら知っているし
ツナが最初に出した時に警戒していたんだ。

「だまれぇ!!十代目に相応しいのはオレだぁ!!
Xは十を表す!!――オレはザンザス!!生まれながらにボンゴレ十代目になる運命さだめ!!」

ここまでくると、必死通りこしてなんだか可哀そうに思えるな。
ツナだって本当ならザンザスにどうぞと軽くボンゴレ十代目の座なんて譲っていた。

けれど、もう私たちには譲れないもの……守りたいものが多すぎる。
簡単にはザンザスに譲ることなんて出来ない。



316(431)
back

彷徨いアリス