あれから私はなんとなく雲雀さんと距離(きょり)を置いている。
……と言うか、今ままでだって距離は取ってたつもりだったんだけど
まさかあんな風に急に壁際(かべぎわ)まで追いつめられるような、例えるなら格ゲーの
逃げ場のない壁ハメ(壁際に追い詰めて逃げられなくしたうえで無抵抗(むていこう)な所をボコボコにする)に近い状態まで
陥(おちい)るなんて、誰が想像するかね?――ええ!?そこで見てるお前<神>か?

と、脳内で一人ボケツッコミ劇場を展開してみるも独り身が寂(さび)しいぼっち生活です。
あれから草壁さんの計(はか)らいか何かで、学校に行っても病欠扱(びょうけつあつか)いになってたし
なんならしばらく休んでも問題ない、とまで言われた。

どんだけ悪い病気にしたてあげられたんだ、と思ったものの私のゆるキャラボディーを見れば
何かしら悪い箇所(かしょ)が見つかってもおかしくはない、という結論に至(いた)りため息をついた。
どうりで友人や同級生の哀れみの視線が突き刺(さ)さったわけか。(生類憐(しょうるいあわれ)みの令が施行(しこう)されたかと思ったぜ)

ふと目線をあげた先の窓からは楽し気(げ)に帰宅する学生がちらほら見えた。
あれからお言葉に甘えて、行きたくなかった学校にも行かずにすむという絶好の機会を逃さずキャッチし
そのままお家でまったり、という名のゲーム三昧(ざんまい)ぐーたら三昧、時折(ときおり)夢小説を読みふけるという
まさに生産性(せいさんせい)のないニートのような生活をしていた。

「まぁ……もともと私と雲雀さんの住む世界が違ったわけだし、これも別に会う前に戻ったわけで
わざと避(さ)けてるとかそういう……わけじゃ」

自分で独り言のように言い訳を並べ立ててみたものの、そのとうりすぎてぐうの音が出ず
最後は茶髪(ちゃぱつ)をかき乱して、あーっと声をあげてベッドに倒(たお)れ込(こ)んだ。



26(431)
→|back

彷徨いアリス