落ちた視線の先、自分の足元が次の瞬間黒い影におおわれる。
少年が上から覗き込んでいるとわかったのは、耳元で降ってきた低い声でわかった。
「僕の家で勉強していきなよ」
嫌ですというまもなく、そのまま腕を引っ張られて連行されていく。
頭の中で子牛が売られていく歌ドナドナが流れ、周りの通行人に
どうにか助けてと視線を送るも、おばちゃんは微笑ましい目で見つめ
おじさんは目線すら合わせてくれない。
WHY!! JAPANESE PEOPLE!!
あれよあれよという間に、いつぞやの大豪邸 雲雀邸まで来ていた。
「はぁ〜、相変わらず大きいや」
今日も両親が不在の中、勝手にあがっていいのかと
恐る恐る門をくぐれば、少年に何ビビってんの?前にも来たよねと言われ
うぐっと言葉に詰まった。
家にもビビってるけど、一番はあなたにビビっていますとは言えない。
思っていても、弱者は口には決して出せない。
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彷徨いアリス