「お……アレは雲雀か?」
雲雀らしき人影が遠くから歩いてくる。それに気づいた目の前で観察していた美緒は
ふと視線をあげて、少年と目が合うと血の気の引いた顔で来た道を
逆走しだした。
……が、いかんせん足が
遅すぎて少年の
大股の早歩きに追いつかれて
丸みを帯びた腕をつかまれ、路地に引きずり込まれる。
リボーンはそれにニヒルな笑みを浮かべると、てくてく後をついていった。
【美緒 視点】
ど、どうしよう。――アレから避けることに成功していたのに
まさか
油断した途端、捕まるなんて。 気まずくてそらしていた視線を
少年の顔色をうかがうような表情で見上げると、案の
定不機嫌そうな顔で見下ろしていたので息をのんだ。
「君……わざと逃げたでしょ?」
もちろんそうなのだが、そうですなんて言えばかみ殺されるよね〜と心の中では発狂して転げ回る。
青ざめた顔で、視線はあらぬ方向に泳ぎながらどうにか逃げることに意識を集中させる。
路地裏につれてこられたかと思えば、いつかのように壁ドンをされ
後ろはコンクリ、前は雲雀と
退路を失われつつ 何とか空いた片側から逃げようと機会を
伺っていると
その横にも手をつかれて完全に
包囲されてしまった。
「ねぇ……答えて」
「あ〜、に……逃げたっていうわけでは「逃げたよね?」……はい」
ノンスピリチュアリストの私でも分かるくらい
殺気という名のオーラが見える気がする。
そんな彼に問い詰められれば、もちろん
YESとしか言えないわけで……。
32(431)
→|
back
彷徨いアリス