その時だった。
あれ?とアルトボイスが横から聞こえてきたのは。
目の前の少年がめんどくさそうにため息をつく。
私はた、助かったと思ったと同時に今のこの状況を見られたら
誤解されないかと不安になって目の前の雲雀さんを見上げた。
目の前の彼はどこか面倒くさそうに、けれども
苛立ちすら見せながら
低く声を落として、さきほどの声の主に反応する。
「なんだい?」
その声に釣られるように少女がゆっくり雲雀から視線を表通りのほうに向けた。
そこに立っていたのは数人の人影。恐らく真ん中にいる人が声の主だろう。
というのも――あ、やばい声をかけてしまったといいたげな表情から察しがつく。
美緒は心の中でその気持ち分かるぜとエールを送ったのは言うまでも無い。
ツンツン頭の太陽のような
眩しさを感じさせる
茶髪がまず目に飛び込んできた。
次に幼さの残る顔立ちが可愛らしく印象的だった。
小柄な体格だが
男子学生用の制服を身にまとっていることや
仕草から恐らく少年だろうと
推測する。
つれている少年二人もこの少年の言葉に連動して、視線をこちらに移していた。
「あっ……えっと、どうも?」
一気に注がれた視線と目の前の彼にどうしていいか分からずに
とりあえず反応してみせると、実は雲雀に向いていた視線が少女に集まるのを感じ
私のほうがやばい、という気分で反省した。
33(431)
→|
back
彷徨いアリス