「あっ、でも……あの…。
守ってくれていることは分かっている…ので」

そこはありがとうございますと真っ赤な顔で
強引に手を振りほどき髪をいじる振りをした。
前髪が目にかかるわけでもないのに彼が見れない。

「進学をしたいと思うのなら
あの赤ん坊も全力で叶えてくれるだろう。
そうするなら僕は君にふりかかる災いごと
全てかみ殺していくよ」

でも、君はそれでも不安は残ると言う彼に
思わず言葉がつまったが、彼は気にせず続けた。

「そして僕も全てから守り切れるとは残念ながら言えないし
そこまで無責任にうぬぼれる気もないよ」

あの赤ん坊ですらイタリア行きを勧めるくらいなら
今後もリスクはあるんだろうと問われて静かにうなずいた。

「ただ、少しでも僕の意見が通る余地があるなら
少しでも、ここに居て欲しいとは思う」

「雲雀さん……」

「他人に興味がなかったはずなのに。なぜだろうね。
君からは目が離せない。僕は誰にも縛られたくないのに
君だけは縛り付けておきたくなる」



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彷徨いアリス