「あっつ〜」

空港からおり、護衛の黒服に差し出された日傘を受け取る。
グラッツェありがとうと覚え立てのイタリア語ではにかめば、ニカッと屈強くっきょうな男も笑みを返した。

街中を見渡すと暑さは感じるが湿度の高い日本とは違いカラッとした日差しが眩しかった。
私を含めて涼しげな格好をしている人も多いが、やはり地中海。あつい。
そりゃあイタリアに行く前から夏は30度超えも普通だと知っていたが、まさか到着した日に
今年一番の暑さを記録するなんて聞いていない。

リボーンの自家用ジェットという案をどうにかはねのけて私は
普通に一般客として羽田空港からローマのフィウミチーノ空港に降り立った。

流石に護衛の方々もファーストクラスではなくエコノミー席にして申し訳ないが
私はまだ感覚的には一般人だ。庶民感覚を忘れたくないというのは建前で
もし自分でイタリアや日本を行き来することになった場合、自費なら絶対エコノミーしか無理なので
今から贅沢ぜいたくに慣れていては身体に毒だと分かっていた。

だからこそ長いフライトで、足や腕が変に痺れたり痛んだとしても我慢するしかない。
ローマまで特に飛行に問題は無く順調に18時間ちょいで到着した。
日本の方がイタリアよりも7時間早いのでそれを見越して私たちは
夜中の2時に日本を出て、ちょうど13時頃イタリアに到着した。



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彷徨いアリス