お昼は食べたかとほがらかな声をかけられ振り向けば
ローマの日差しに勝らぬほど眩しい笑顔に目がくらむ。
なぜここにと聞けば、白い歯をキラッと輝かせながら
ディーノはリボーンに案内するように頼まれたとはにかんだ。

「美緒はどのくらいこっちに居るんだ?」

都内の並盛町全体の中学校がだいたい同時期の7月21日から夏休みに入る。
並盛全体の夏休みの期間は平均どこも35日〜38日間で、そのうち2週間だけ
お試しでイタリアに来たと告げると日本の夏休みは短いんだなと驚かれた。

逆にイタリアの夏休みは日本より長いのかと問えばバカンスだからなと笑われた。
夏休み期間になるとイタリア人はどこか別の地域に旅行に行ってのんびりすることが多いらしい。

ふと振り返ると、ピッタリついていた黒服からディーノにバトンタッチなのか
促されるままディーノの運転する車の助手席に乗り込む。
黒服の男達はと目でおえば、後方の別の車に乗り込んだのを確認した。
恐らく彼らは彼らで後から着いてくるだろうなと思っていると
青年はうっとおしくてすまねぇなと苦笑した。

「いえいえ、まぁ……命狙われてる自覚はあるんで
多少の護衛は仕方ないなと諦めムードですね」

「美緒は大人だな〜。俺が14の頃は着いてくるなと暴れまくってたぜ」
大人なんだけれど、悪戯っぽく笑う彼に少しだけ当時の14歳のあどけなさが垣間見れて
私も声をあげず、少しだけ口の端をあげて微笑んだ。



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彷徨いアリス