がま口財布の中がユーロ硬貨で重たい。
ユーロをよく知らずに、使い勝手が良いだろうと日本円や
ドル感覚で1ユーロを多めに両替したら全部硬貨で返ってきて驚いた。
てっきり1ユーロから紙幣しへいだと思っていたのに。
しかも調べてみると1ユーロの下にさらにセント硬貨まである。
どんだけ財布を硬貨でパンパンにさせる気だろうか。

日本の時よりも厚みだけでなく重たくなった財布だが
実際は小銭ばかりの現実に泣きたくなる。

こんなに現金持ち歩くより、親から借りたクレジットカードで充分じゃないかと思っていたが
実際、車で市場の付近を通ると車窓越しに現金でのやりとりが見受けられ
確かにこういう小さな店はクレジットカードの利用できないだろうなと腑に落ちる。
ディーノも視線の先に気づいて、せっかくなら寄っていくかと車を最寄りの駐車スペースにとめてくれた。

「お腹すいてないか?――実は俺も昼飯まだでさ」

奢るぜと微笑まれ、大変胸キュンしたが心を鬼にして断った。
お金を両替してきたことと、自分で買い物をしてみたいと勇気を出して伝えたところ
いいなと親指をたてて応援してくれた。

「ただ何も分からないのでフォローお願いしますね」

初めてのお使いのスタッフだなと張り切る青年に少し照れくさくなる。
本当に脳内にあのBGMが流れてきて、あんな可愛くて無邪気な子供じゃないとさらに恥ずかしくなった。



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彷徨いアリス