クリームまみれの口元を互いに紙ナプキンで拭いながら
日本で食べるより美味しいかもと私が言うと
ディーノは雰囲気もあるかもなと笑った。

でも、彼に言わせれば日本の食事のほうが美味しくて
太ると苦笑される。
イタリアの食べ物もこんなに美味しいのに?と問えば
日本ならイタリアの食べ物もちょっと探せば食べれること
イタリアだけでなく、どんな国の食べ物もだいたい手に入る。

話しながら食べているととうとうジェラートのカップも空になり
市場のゴミ箱に捨てながら、駐車場に止めた車に戻る。
熱かった屋外からクーラーの残る車内に戻る息をつく。
窓越しに見える市場の通りは相変わらず人で賑わっていて
観光客だけじゃない……地域の人々が溶け込んでいて
まるで異国の映画のように美しい。

「本当にローマの町並みは美しいですね。
日本以外だとアメリカしか知らないので
ヨーロッパの建物や石造りの町並みは
まるで童話に出てくる世界で美しいです」

私の言葉をなぞるように流れる石畳の道。
にぎわう人々の声、古い建物……突然現れる教会。



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彷徨いアリス