当時という言葉に首をかしげるも、野外の駐車場に車を止めてそのまま
車から降りてエスコートされる。
スマートに手をひかれて真っ赤な顔で慌てて大きな手をとる。

小さい手で可愛いなと微笑まれて、可愛いのはあなたですーと怒鳴りたくなったが
代わりにむぐぅと唇を引き結んだ時に咄嗟に変な声が出てまた恥ずかしくなった。
肝心な時に決められない女は私です。
きっと後から振り返って、またジタバタする。
あの時もう少し気の利いた言葉が……瞬発的に返せていればと。

もっとスマートに、もっとイケてる風に。

門前に立つ黒服達にに頭を下げられながら門をくぐる。
人気は少ないが、やはりちゃんとボンゴレの支部らしく
所々に人の出入りや黒服のセキュリティーが立っている。
男に手を引かれ玄関をくぐると、ヴィンテージが並ぶ
素人目から見ても分かる高価な調度品に囲まれ
思わず息が漏れた。

「ここが……ローマ支部」

感嘆の声と漏れた問いに男は爽やかに頷いた。

「昔、プリーモが使ってた屋敷なんだ」

「プリーモ?」

機器馴染みのない言葉に、素直に分からないと訪ねると
ボンゴレファミリーの初代ボスだと彼は告げた。



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彷徨いアリス