動き出した世界

「しゅ……守護者(しゅごしゃ)?」

某少女漫画が一瞬よぎったが、まさかそんなファンタジーでありがちな
それこそマーベル作品みたいに10代で何の変哲(へんてつ)もない私が能力を授かるなんてと
真剣に説明するリボーンには悪いが、冗談としか思えないような言葉に苦笑する。

「あの……それならなおさら疑問が残るんだけど………。
普通守護者っていうなら何かしらの能力があって、誰かを守れるくらい強い人ではないと
務(つと)まらないというか………そもそもなんで私なんかがそんな風に思われたのかなぁ?」

困ったように眉を下げながら問いかけるとリボーンは静かに説明した。
世界の守護者というマフィアでは都市伝説のような存在がかつて居たという話が残っていること。
世界の守護者という言葉に獄寺はありえないと悲鳴(ひめい)に近い叫びが
遠くに聞こえるほどリボーンの言葉が頭に反響して意識が遠のきそうなほど非現実的な話でおかしかった。

その守護者は大きな力を持っており、その能力があればどこの組織も有利に動け
実際に初代ボンゴレは世界の守護者のおかげで実質トップになったことからも
世界の守護者はまさに幸運の女神として崇(あがめ)められているという話を聞かされた。

「お前達がいた黒曜ランド周辺で、見たことがねぇ炎が確認された」

「見たことがない炎……もしかしてあの虹色の?」

「そうだゾ♪――そしてその炎がまぎれもねぇ世界の守護者の炎」

皆が息をのむ。ごくりと唾をのんだ少女は思考を巡らせた。

そこまで言われると確かにあの時ぶわっと広がった炎や
驚いたような骸と彼がこぼした意味ありげな台詞、そしてがんじがらめにしていた鎖(くさり)が崩れ落ちた点
全て繋(つな)がる。――でも、まって。アレはほんとに意識してやったことじゃないんだけど……。



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彷徨いアリス