「あっあの〜、雲雀さん!!返してくださいよぉ〜!!」

大事な話したいんですと懇願こんがんするも、雲雀は必死の形相ぎょうそうを浮かべる美緒を
めたいつものポーカーフェイスでチラッと見ただけで、すぐに視線をあげた。

「……だれかって?――僕だけど」

「いやっ、それじゃ多分伝わりませんよ雲雀さん!!」
なんなら新手あらての電話詐欺さぎみたいな応答おうとうだと脳内で叫びつつ
一向にスマホを取り上げて返してくれない彼にしびれを切らして提案する。

「わっ、分かりました!とりあえず返さなくていいですからせめて会話にいれてください!!」

お願いします〜、スピーカーにして〜と叫ぶ私に苛立ったのか、面倒に思ったのかは分からないが
呆れたような顔で一瞬少女を見やり、雲雀は小さくため息をつくとスピーカーにしてくれた。
リボーンの可愛らしい幼児声が教室に響く。

『どうして美緒のスマホで雲雀が出るんダ?』

「ですよね〜。やっぱりまずそこですよね〜。いやぁ、私もどうしてだろうなーって
すっごく思ってたんです〜!!でも、雲雀さんガン無視なんです〜つらいです〜」

チラッと少しだけ呆れて雲雀さんを見上げるも、彼は全然こちらに視線をやらず
それどころか若干無視された感じで淡々と簡潔かんけつにリボーンに告げる。

「美緒はしばらく外泊がいはくらしいね。――理由は面倒だから聞かないけどとりあえず僕のところで預かるよ?」

ああ〜、言った、言った、ついに言ったァ!?
どうしてそういう若干じゃっかん誤解させる感じに持ってくの?そして私の否定ひてい聞いてなかったんですか!!
いつものように心で泣き叫ぶも、顔は困ったようにまゆを下げることしか出来ない。
くぅ、ヘタレには面と向かってノーと言える力が無いぜ!(イエスマンめ!イエスで人生かわんねーよ)



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彷徨いアリス