この胸の高鳴りの正体は恐怖心からだ、落ち着けと必死に言い聞かすも
チラチラ見る雲雀の端正な横顔と、そんな彼と周囲からは仲良く見えていると思うと
少しだけ
優越感というか、自己
顕示欲が
刺激されるような
高揚感が否めない。
でも次の瞬間には、全然つり合いの取れない
冴えない自分が目に入りため息をつく。
多分きっとこんな人から
羨ましがられるような瞬間は
訪れないだろうな。
少し
自嘲気味に肩をすくめて、前を歩く雲雀に追いつこうと向き直った時だった。
いきなり視界の
隅から現れた
人影に
弾き飛ばされる。
「いったた……」
思い切り
尻餅をついたし、その時に地面についた手も
砂利で少し
擦ってしまい血がにじむ。
けれど、心優しい少女はすぐ切り替えながら自身の痛みよりもぶつかった相手を気遣った。
「あっあの……すみませっ」
見上げた先には、かなりの
強面の男性が二人立っていて息をのんだ。
や、やばい……どうしよう、でも相手もこんなワガママボディーと
衝突して
もしかすると怪我したかも知れないしと、ヘタレだが勇気を振りしぼって、震える声で声をかけた。
「だ…大丈夫ですか?」
「おいコラァ!!ワレ、誰にぶつかっとんじゃ!!」
いきなり巻き舌の大声でまくし立てられ、息をのんで
縮こまる。
私以上に
恰幅がよく、派手な柄のアロハシャツっぽい服をまとった強面かつ
成金趣味っぽい指輪ジャラジャラの男性がまくし立てた青年を制止した。
58(431)
→|
back
彷徨いアリス