「あっあの…ホントに辞めて下さい!!さ、叫びますよ?」

涙目でにらみつけると、一瞬男達がひるんだ。
しかし次の瞬間には、先ほどのニヤケ顔が一変(いっぺん)して苛(いら)ついたような表情に変わる。

「チッ……。大人しそうな顔して言うやないか。
こっちの方が被害者やぞ?ちょっとくらい付き合えよクソガキ」

流石に横暴(おうぼう)すぎる発言に、珍しく少女も眉を寄せてキッと涙目で睨む。

「クソガキじゃないです。――後、おじさん多分怪我なんかしてないですよね?
私は大丈夫ですから、放っておいて下さい」

肩に回していた腕を乱暴(らんぼう)に払いのけると、逆上(ぎゃくじょう)したのか
青筋(あおすじ)を浮かべた男が腕を振り下ろしてきた。
あ、やばいと思った瞬間。その腕を誰かが掴(つか)む。

「ワオ、君にしてはよく言ったね」

「雲雀さん!!」

さりげなく少年が少女を自分の後ろに来るように掴んで誘導し
男の腕を掴んだまま、ブリザード並に冷たい言葉を飛ばす。

「いい年して情けないね。――僕はこういう奴を見ると容赦(ようしゃ)なく咬み殺したくなるよ」

腕を捕まれた男が痛みに呻(うめ)いている。取り巻きの一人も何やら叫んでいるが
男同様に恐怖で青ざめガタガタ震えながら先ほどの威勢(いせい)の良さはどこへやらという感じだった。



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彷徨いアリス