「あ…あの「美緒」――っはい!?」

急に立ち止まり、名前を呼ばれて安定のびびりを見せながら見上げると
少し彼はソワソワした感じで呟いた。

「ハンバーグ作れる?」

「…え?」

彼がもう一度視線をそらしながら、小さくハンバーグと呟いて我に返ったように慌てて頷(うなず)く。

「えっええっと…一応上手ではないですが作れはしますよ!?」

「そう…!なら、作ってよ」

「え…?」

「あ、僕の家着いたね」

まさに誘導尋問(じんもん)ならぬ、作れると言ったが最後作らざる終えない方向に持って行かれ
さらにいつの間にか大きな日本式の豪邸(ごうてい)の前まで来ていたことに驚いた。

パクパクと金魚のようにどう言葉を発すればいいか分からずに困惑していると
視線の先で雲雀さんがしてやったりと言った悪戯(いたずら)っぽい笑みを浮かべていて目眩がした。

それにしても……なんて大きな家なんだろう。
まるで時代劇のセットの…それも将軍様とかが住んでいそうなレベルの豪邸!!
横に居る少年と一緒に見やるとそれはもう絢爛豪華(けんらんごうか)と言うか、なんとも言えない厳(おごそ)かな雰囲気だ。

「すごい…」

思わず感嘆(かんたん)の声が漏(も)れ、羨望(せんぼう)のまなざしのまま視界に入る日本庭園に目を細めていると
少年はつまらなさそうに欠伸(あくび)した。

「そう?――別に普通だけど」

突撃!オタクがお宅にお邪魔します!?



63(431)
→|back

彷徨いアリス