頭を上げて、チラッと
叱られる子供が親の顔を伺うように見上げると
少年がまだ抱えたままの大量の買い物袋に気づいて
慌てて受け取る。
彼は少し驚いたような顔をしたが、すぐ私に袋を手渡して
次の瞬間にはいつものポーカーフェイスに戻って呟いた。
「どうして……だったかな」
「へ?」
「確かに、何か理由があったはずなんだけどね……思い出せないからいいや」
「いや、そこ大事なとこでしょ!?」
思わず敬語が
崩れたままでツッコむと彼は少しおかしそうに笑い出した。
「やっぱり、君はそうやって感情を出した方がいいね」
言葉に詰まりながらも、いつもの困り顔を作り開きかけた心のドアを慌てて閉じた。
なんだか少し照れくさくて困るような感覚。
私はすぐに敬語に直して愛想笑いを浮かべた。
「そうですかね?――感情的な女は嫌われませんか?」
あまり真剣な話題にしたくなくて、
茶化すように呟く私に
まっすぐ視線をぶらさず少年は首を振る。
「君のそういう所が不思議だよ。――なぜいつも笑っているの?」
いつも笑ってる?にやけてるの間違いかなと伺うも真剣な表情だったので
こちらもちょっぴり真面目な顔を作って首をかしげて見せた。
これ以上この話題を議論する気はないが、彼は辞めなさそう。
「うーん、多分
癖なんですかね?あっそうだ!!ハンバーグでしたね?
せっかくお泊まりさせてもらう身ですので、ハンバーグ作りましょうか?」
強引に誤魔化してキッチンに向かうも、ずっと何か言いたそうな感じだった。
少し気まずい。私的には私について私が語るっていうのよりも
むしろ雲雀さんがなぜ私に時々気に
懸けてくれるのかの
謎を解明したいんだけどと困惑する。
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彷徨いアリス