その後は先ほどの重たい話題を振りきるように、明るくまるで気にしていないような素振りで
談笑(だんしょう)しつつ、ハンバーグとご飯を平らげた。美緒はマシンガントークで話しかける自分とは対照的に
ひたすら聞き役で黙々(もくもく)と食べ進める雲雀に、思い出したようにぼんやりと
ハンバーグ以外の何かおかずも作れば良かったかなと考えたが
勝手に食材を使っていいかや、何も文句を言わずに半分ほど平らげている雲雀を見て何も言わずに食事を終えた。

その後は、率先(そっせん)して二人分の食器や調理器具を慣れない手つきながら洗い
普段から家事全般を母親任せにしてきたツケだなと苦笑しながら、この後はどうしようかなんて
ぼんやりと考えていた。――私の後ろでは雲雀さんは読書に集中している。

その時だった。聞き慣れたクラッシックな着信音が流れてきたのは。
ふと食事が終わった後、Twitterを弄ったりしてそのまま置いていたスマホから着信音が流れ
目の前の皿と泡だらけの手とスマホが置かれてるテーブルをパニックになりながらどうしようと呟き
チラチラ見ていると、読書していた手を止めた雲雀さんが鳴ってると小さく呟いた。

「あ、ど…どうしよう!!今手が濡(ぬ)れてるから出れない!!
あっあの…雲雀さんすみませんが誰から来てるかだけ教えてもらえます?」

めったに電話が来ないタイプの交友関係の狭(せま)さの自分なので
もし緊急(きんきゅう)の電話だったらどうしようと思いながら慌てて泡を落として
行儀(ぎょうぎ)は悪いが服に濡れた手をこすりつけて、振り返るとちょうどスマホを机から
雲雀さんが拾い上げているところだった。

「これ…なんて読むの?――よう……後は読めない」

「え……ヨウさん?そんな名前の人いたかな?」

ほら、と見せてくる雲雀さんの真後ろからのぞき込むようにスマホを見ると
見慣れた幼なじみの名前があって慌ててスマホを奪(うば)い取る。



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彷徨いアリス