「っヤン君だ!!そうだ!!忘れてた〜!!
これ私の中国人の友人で、楊・戮力ヤン・ルーリーって読むんですよ♪
――ってそんな場合じゃねぇべ!!かんっぜんにあの約束忘れてたぁ!!」

慌てて通話ボタンを押して耳に押し当てると心配した様子の少年が電話越しで叫んでいた。

『美緒ちゃん!!何かあった?』

後ろで誰、と呟く雲雀さんを無視して電話越しだがつい癖で頭を何度も下げながら
困惑した様子で弁解する少女。

「ごごごっごめんヤン君〜!!――実はある人のところで泊めて貰うことになったの!!
しかもそっちに泊まれなくなったことを伝えるの忘れてたっ!!」

『あれっそうなのか?――俺、準備して待ってたし来ないから心配した』

「ごめん〜!!今度埋め合わせするからダメかな?」

『まぁ…美緒ちゃんがそう言うなら……』

「誰、この人……」

必死に誰も居ない空間に向かって日本人の癖と言わんばかりに頭を下げながら謝罪の言葉を叫び続ける私の横から
電話の相手が気になったのか、そっと少年が近づいてささやく。

「おわっ!?けっ気配けはい殺して立つのやめてくださいよ!!」

さっき言った私のお友達です!と電話の通話口に手をあてて少年に伝え
またスマホを耳元にあてると、少しだけ不機嫌そうな低い声がうなっていた。



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彷徨いアリス