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…

「…という事情だったんです」

「君は、馬鹿なの?」

ずっと黙(だま)って聞いていた彼からポロッとこぼれた言葉が耳に痛いし心もえぐってくる。
胃薬欲しい。胃液がバンバン出て、きっと胃がボロボロになってると思うから!!
今の私のメンタルもだけど!!――心の中でそっと血の涙を流す。
まだ人生という試合を放棄(ほうき)できないけど、安西(あんざい)先生、もう試合終了していいですか。

大きな二重(ふたえ)をまん丸にし、口をパクパクしていっそのこと腹話術(ふくわじゅつ)の人形になりたかった。
出来るよきっと、普段から狂(くる)ったファービーとかチャッキー扱いされてる私ならね。
あ〜、誰か自分の代わりに考えて喋(しゃべ)ってくれないかなといい年こいて本気で思った14の夜だった。

あんまりにも狼狽える私を不憫(ふびん)に思ったのか、それとも本気で馬鹿(ばか)かこいつと呆(あき)れたのか
それから少年はめんどくさい、と呟いてもうねると部屋に戻っていった。
一人、広いリビングに放置されて呆然(ぼうぜん)とする私。
でも、心の中では威圧感発生装置(いあつかんはっせいそうち)と化していた少年が消え、ちょっとホッとしてる自分もいた。


それから私も自室に戻り、どうヤン君に謝るか考えてスマホを見つめている間に
気がつくと朝になっていた。そして、目覚めてすぐヤン君からは謝罪の言葉が届いていた。



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彷徨いアリス