良い子の呪縛

そういえば……夢を見た、あれは多分幼い頃の自分。
ベッドの中で気だるくて寝返りをうちながら、ボーッとした頭で
いつものように自分がどうしてこうなってしまったんだろうかと
過去のキラキラした幼い少女を見ると、つい被害妄想が進む。

可愛らしい子供、明るく無邪気(むじゃき)で…何にも知らないような純真無垢(じゅんしんむく)な存在。
お砂糖(さとう)とスパイス、素敵な物をいっぱい集めて出来たような女の子。そんな女の子に生まれたかった。
私にはケミカルX(エックス)の力なんか借りなくても、素敵で無敵な女の子で
誰からも愛されて、自然に愛を振りまけるような…そんな子になれれば
今みたいに惨(みじ)めじゃなくて、いくらか幸せだったのかも知れない。
例えそれが私だけの痛い勘違いだったとしても………。
世界中から愛されていると錯覚(さっかく)さえすればもう少し素直な良い子だったんだろうか。

それと、やけに冷めていた癖に物わかりが良すぎたところがいけなかったのだろうか。
生まれてすぐにこの世界が平等(びょうどう)に作られてはいないということに気づくような
そういうことだけは理解できてしまった可哀想な思考回路(しこうかいろ)とボロボロな癖に身体に
似合わない程大きなハートを持っていたことが運の尽(つ)き。
小さな手を見つめて、自分には何もないことに気がついちゃった馬鹿な子。



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彷徨いアリス