両親は世間(せけん)的に見ると勝ち組のような人生を歩んできたような人たちだから
私みたいに惨敗(ざんぱい)続きの14年なんか考えつかないだろうね。

だからこそ、私は物心つく頃からマシになれるような方法を実践(じっせん)してきた。
マイナスな内面を押し隠(かく)し、なるべく笑顔で良い子でいれるように努力してきた。
今更(いまさら)両親のような勝ち組人生ルートなんて馬鹿げているからなれるなんて思わないけど
少しでも自慢(じまん)できるような、人に紹介しても恥ずかしくないような気持ちにさせてあげたかった。

そうやって自分の本音を隠して、誤魔化して、その場をつくろって
やがて自分ってなんだろうなんて思い始めた。
そこに少し恐怖も感じながら、でも今更辞めるなんて選択肢(せんたくし)は思いつかずに
ひたすら良い人を意識してきた。

でも、時々出てしまう。悪い子が。家でも外でも怒るという行為になれていないせいか
怒りが爆発(ばくはつ)すると、自分でもどうすればいいのか分からなかった。
人をズタズタにするような言葉が止まらなくて、そうして怖がられて自己嫌悪(けんお)してひとりぼっちになっちゃう。

だから私が何かをさらけ出す時は、縁が切れてしまう覚悟(かくご)を持っていた。
そしてあの時……よく考えれば雲雀さんの前で少し切れ気味になった時…そうあの瞬間。
これで雲雀さんが私に背を向けたり軽蔑(けいべつ)するならそれでもいいって
そうされても仕方が無いなって思ったの……だって私は良い子のふりをした悪い子だから。



79(431)
→|back

彷徨いアリス