そういうイベント
家の鍵がなくてパニックになっていた時、以前の独り身状態の私なら真っ先に友達に助けを求めていたに違いないのに、恋人ができた途端に…我ながら浮ついてるな…
調子に乗った私はその後、いつも行くたこ焼き屋さんの前で部活終わりの白石君と合流した。
そこでたこ焼き食べて、ついでにブラブラして
ついでにお泊まりするかという流れになってしまったわけだが、私達には圧倒的問題があった。
白石君と付き合っているといっても、手を握るのも小っ恥ずかしい段階だという事。
でも白石君はやたら嬉しそうに手握ってきてくれてたから、これは私達というより、私自身に問題があるのか…
そもそも白石君のことを苗字呼びな時点でアウトだろう、白石君は名前呼びなのに。
お泊りの事は…
白石君はただ親切心で言ってくれてたみたいで、言った後で気付いたのか、アホほど赤面していた。
そんな白石君が愛おしすぎて、勢いでOKした私が断トツで悪いんだが。
しばらく白石君の提案に返事できずにいると、白石君は私の顔を伺うようにして顔を近づけてきた。
「…どないする?」
「そおっ、そっちの方が恥ずかしいやつなので友香里ちゃんの着させてもらいます」
「せやけど、万が一入らんかっても帰らへん?」
「ピチピチなってもいいです友香里ちゃんのでお願いします」
「ほんま?せやったらええわ…ちょっと残念やけど」
白石君は言葉の通り心底残念そうな顔で言った。
大きい白石君の服の方が入らないなんてリスクもないだろうし、ゆったり着れてよかろう。
それよりなにより、ピチピチになってまで着たら友香里ちゃんの服が可哀想だ。
だけどそれは、私が白石君の部屋で白石君の服を着るという行為は
つまり、憧れの彼シャツというやつでだね。
いや、それめっちゃ上級者向けのやつ!
まだ付き合いたてホヤホヤだぞこちとら!
あと友香里ちゃんの服着れるかもしれんし!
こんなぎこちない状態で白石君の服着るなんてそんな勇者行為、今の私にはできまへん。
もしや、これからもできないんじゃないか…
自分で言うのもなんだが、重度のヘタレだから。
ああ、このような状態でよくお泊り受け入れたな。
あの時は赤面する白石君が可愛かったからついOKしたけど…
でも今は可愛いというか、なんか白石君
「で、寝る時は俺のベッドで一緒に寝るんよな?」
「え、なんで!」
「なんでもなにも、この部屋にはベッド1つしかないやろ?」
「いや私、ゆっ、床で寝ますんで!」
「それこそなんで?ベッドあんねんから…な?一緒に寝よ…?」
「んくっ…!」
いつのまにか私の耳元まで顔を近づけていた白石くんは、めちゃくちゃに甘い声で囁いた。
その驚きで飲み込もうとした唾が変なところに入りかけたけど、なんとか軌道修正してむせずに済んだ。
危なっ…
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わらびもち