手のひらに
キスフレとはキスフレンドの略で、その名の通りキスをする友達という意味。
キスをするからと言って恋人というわけではないので、その先はしない。
恋人でもないのにその先をするのはあれだ、あれですよあれ!セから始まる!
とはいえキスをしてる時点でなにかと一線を越えてしまっているし、非常に奇妙な関係なのは重々承知している。けど、
「…朝ちゃんと歯磨きした?」
「した!」
「じゃあ、少しだけ。」
歯磨きした事だけ確認して、ジロちゃんと触れるだけの軽いキスをした。
私がキスフレになった理由は、単純にキスをするのが好き、だから。
ふわふわした感覚が気持ちいいし、唇から漏れる音も耳に心地良い。
私にとっての癒しというか、リラックス効果があるというか。結構、なくてはならないもの。
かといって歯磨きをしていないような人としたくないので、そこは要確認…
「んー、もっとー」
「少しだけって言った。」
「少しだけって2、3回って意味じゃないの?」
「私の少しだけは1回だけだから。」
「えーー!1回だけならもっと長いのにしてよ!流石に今のは短すぎるC〜!」
「ここじゃ誰が通るかわからないし、キスは確実に2人きりになれる所でじゃないと。」
「ええ〜……わかったよ〜」
ジロちゃんは納得のいかないような顔をしながら前を歩き出した。
キスフレにはキスフレのルールを作っている。
1つはキスだけの関係であって、どんな気持ちになろうとその先は絶対にしない。
2つは人前ではしない事。外でするのも好ましくないけど、人目のないところならギリギリしてもいい。先ほどはそういう条件で承諾をした。
3つ目はボディタッチ禁止。していいのはキスだけだから、キスの最中に体を触るなんてことは厳禁。でも肩や首は大丈夫。
支えないとキスできない場合を考えて
この3つのルールをどれか1つでも破った場合は関係を断つ、という感じだ。
ジロちゃんの他にもいろいろな人とキスだけの関係を持ってきたが、この3つを守れなかった人達は少なくなかったと思う。
守れなかった人とはただの友達に戻るか、さよならのどちらか。
なんて…こんな変な関係持った後でただの友達に戻れた試しはない。気まずくなって、そのまま破局のパターンがほとんどだった。
その破局した人達に変な噂を流されてないのが幸いというか、みんな心の広い人たちだったんだなとしみじみ思う。それか無関心なだけか…
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わらびもち