手のひらに
「ねぇ〜本当にもうキスしちゃダメなの〜」
「だめだってば。」
「じゃあ学校のトイレでしよーよ!」
「何言ってるの…今日は跡部さんと打ち合いするんでしょ。遅れるといけないんじゃない?」
「だってキスしたらすっげー頑張れるC〜!した後マッハで行くから!いーよね!」
「私にもお手入れがあるんだけど。お花の。」
「あ!じゃあ花壇のとこでする?」
「いやだよ…朝練の人とか先生とかに見られでもしたら」
「じゃあトイレね!」
「無理です。学園内のトイレ綺麗だけど。」
「えー!じゃあどこなら大丈夫かな〜」
「だからどこもダメだって…」
「なんでなんで!1分くらいでいーから!ねっ、マジマジおねがE!名前〜!」
「……じゃあ、校舎裏で。」
「マジ!?たっのしみ〜!」
ルンルン気分で前を歩くジロちゃんの後ろを歩きながら、少しわくわくしていた。
正直に言えば私だってもっとキスしていたい。
TPOを考えて1回だけで留めておいた次第だ。
あまりに長くしすぎるとやめたくなくなってしまうし、なによりリラックスして眠くなる。
特にジロちゃんとのキスは気持ちが良すぎるから困る。キスフレ歴が長いからキスがしやすいというか、相性か?
他の人としてても気持ちいいけど、やっぱりジロちゃんとのキスが一番しっくりくる。
そもそもキスフレ元祖はジロちゃんだ。どうりで実家のような安心感。
だからジロちゃんとキスをする時は、時間のある時しかしたくないのが本音。
それなのにジロちゃんときたら、朝のくそ忙しい時に。
「放課後とかならいくらでも出来るのにねぇ…」
「じゃあ放課後もする?」
「そうじゃなくて、我慢できないのかって話。」
「だって跡部と試合だよ?全力で楽しみたいC!」
「逆に腑抜けないかなぁ、ジロちゃんとしてると眠くなるもん。」
「大丈夫!俺は目ぇ覚めちゃうもん興奮して!」
ジロちゃんとは中1の時ぐらいからの古いキスフレなので「興奮する」という言葉が、変な意味でない事は熟知している。
昔から私とのキスは元気が出るって言ってくれてた。
「元気」から「興奮」に言い方が変わってるのがなんか、歳を感じるが…恐らく意味は同じのはずだ。
「感じ方が真逆だよねほんと…四六時中眠そうにしてるジロちゃんには丁度いいかもね。」
「でしょー!だから授業の前にしてくれてもいーんだよ!」
「そこは頼りにしないでよ。そもそも私は眠くなるって言ってるのに…」
「じゃあ一緒に居眠りする?」
「うん…道連れにしないでほしいな。」
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わらびもち