実は2人の出会いは図書室
「名前ちゃん、今日もお疲れさん」
「あっ!しらノスケ君」
「いやしらのすけ君て、白石君て言いかけとったところ無理やり軌道修正しなや…」
「ごめん、つい…」
「まぁ、咄嗟に出るやつは慣れるまで時間かかりそうやな……せや、名前間違えそうなったら罰ゲームでもする?その方が意識して慣れるんとちゃう?」
「なるほど〜!罰ゲームがあるって思えば気をつけれるかも。どんな罰ゲームにするん?ビンタ?」
「可愛い可愛い名前ちゃんにそんなスパルタな事する訳ないやろ……せやなぁ、言い間違えそうになった時はその場でキスしてもらおかな、どこであろうと誰がおろうと。」
「ビンタにしてもらっていいですか?」
「せやからあかんてそれは。ほな、言い間違える分=名前ちゃんからのキスの回数にしよか。してもらうんは二人きりの時やから安心し。」
「それやったら…せやけど私からっていうのは、その、まぁまぁ罰ゲームやね。」
「せやろ?言い間違える度カウントしてくから、2人きりの時に貯まった分請求させてもらうわ。因みにさっきので1キスやで」
「まってまって、それはノーカウントちゃう…!?罰ゲーム決める前やねんから」
「キスポイント貯まるん楽しみやわ〜。当分間違えとってくれてええで?」
「聞いてる…!?」
「だってな、名前ちゃんからしてくれる事滅多にないっちゅーか、おねだりすらしてくれへんやろ?」
「それは…どのタイミングでしたらいいとかよくわからんし、そもそも迷惑になってまうかなと」
「そんなん、したい時に甘えてくれればええねんで?ついでに言うと俺は今めっちゃキスしたい気分やわ」
「いやっ、ここ図書室やから…それに」
「今は誰もおらんで?それとも俺とするんいや?」
「そうやなくて、今は当番の子が」
「本なおしてきましたけど」
「うわおおっ!?あ、おお…財前君…!!」
「あ。」
返却された本を本棚に並べに行ってくれていた財前君が、タイミングよく戻ってきた。
受付前にいたノスケ君の顔を見て、財前君は少し眉を上げて驚いている。
対するノスケ君も、財前君の登場に驚いていた。
「財前やんか、ここでなにしとるん?」
「あー、図書委員の仕事すわ。」
「仕事?ああ〜なるほど。ペアやったんや。」
「はい、うん……あの、2人は知り合い?」
「部活の可愛い後輩や。な、財前!」
「まぁ。てか本借りるんやったらはよ借りて帰って下さい」
「冷たいなぁ……今日は名前ちゃんに会いに来てん。」
「ぬぇっ…なん!」
「なんやったら席外しましょうか」
「ええよ、用事のついでにちょっと顔見にきただけやから。財前、仕事頑張りや?」
「はい」
「またな、名前ちゃん」
「は、うん…」
ノスケ君は爽やか〜にはにかむと、図書室を出て行ってしまった。
図書室で借りていた推理小説をまだ読み終わっていないので、今日は本当に名前の顔を見に来ただけのよう。
へなへなと背もたれにもたれかかりながら意気消沈していた名前に、財前君が鼻で笑った。
「まさかうちの部長に言い寄られてるとは」
「言い寄ら!!ちゃうし!!」
「はいはい。なんであれ、そういうんは他所でやってもらえます。」
「あ…ごめん…ノスケ君にもそう言うとくから。」
「そんな呼び方が出来るほど親しい仲なんすね」
「あぐわっ、今のは!今のは、ほんま!!」
財前君の前で白石君呼びしてるうちノスケ君の前で白石君呼びをしてしまい、どんどんキスポイントが溜まっていく手際の悪い名前であった。
end.
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わらびもち