図書委員、ということは…? 

「ざっとこんなとこかな。暇な時は基本自由やから、勉強したり、本読んだり」

「音楽聴いててもええですか」

「音楽流すの!?静寂な図書室で!?」

「ヘッドフォンすわ」

「あ、ヘッドフォン……でも、誰か来た時に気付いてあげれる?私がおる時はいいけど、もし私が席外してる時とか」

「そこらへんは大丈夫なんで」

「ほんま?もし行列作ってたら怒るよ。」

「行列できるほど人来んでしょココ。ま、これくらいやったら毎週来ても良さそっすわ。携帯いじれるし」

「財前君…図書室まで来てサボるんやめて…?」

「仕事はやりますんで。あと名前教えてもろてええですか」

「あ、ごめんね。3年1組の名前苗字です。好きなことは寝ること、特技は二度寝、スリーサイズは上から………なんでツッコまへんの?」


名前を教えるだけでいいのにご丁寧にも自己紹介しだした名前は、なかなかツッコミを入れてくれない財前君に自らツッコミの催促をしてしまった。
流石にスリーサイズのくだりでツッコミを入れてくれるかと思ったが、それは甘い考え。

名前のしゃしゃり自己紹介を黙って聞いていた財前君は、怠そうに言った。


「聞いてほしいんとちゃうんですか」

「い、いやぁ〜そこまで丁寧に自己紹介しろ言うてへんわ〜!とか言ってくれるかと思って…もしかしてほんまにスリーサイズ知りたい?」

「死ぬほど興味ないすわ」

「ほら!そう思うんやったらもうええわ〜の一言くらい言ってよ。このままいったら生い立ちまで語ってまうやんか。」

「そういうノリあんまわからんから無理。」

「100%意地悪で言うてるやん自分……それにしても、なんで3年ってわかったん?ピンバッチもなにもつけてへんのに、最初から敬語やったよね?」

「とても年下には見えんかったんで」

「ふふふ。大人っぽい、ってことで?」

「そう思うんやったらそれでええんちゃいますか。」

「私だけめっちゃはしゃいでる感じにすんのやめてくれへんかな…」

「てか、苗字さんはなんで俺の事知ってたんすか」

「委員会の集まりで会ってるんやで…そこで当番のペアも指示されてたから」

「そうでしたっけ」

「うん…いかにも話聞いてなさそうな感じやったもんね財前君。」

「なりたくてなった訳ちゃいますから」

「そんな事言わんと!図書委員のお仕事結構楽しいよ。これから来てくれるんでしょ。一緒にがんばろね!」


はじける笑顔で拳を突き出した名前だったが、それを一目した財前君はさっそく携帯をいじりはじめた。

いっぺん古典辞書かなんかで頭シバいたろかなと思った名前がわかりやすく肩を落とすと、財前君がぼそっとつぶやいた。


「はあ。ま、しゃーなし頑張りますわ。」

「財前君…!見かけによらずほんまええ子やね!!」

「うるさい。図書室やねんから大声出さんとってくれへんほんま。」

「はい、はい今のは私が悪いですすみません。でも流石は図書委員や、基礎がなっとる。そのまま図書室では静かに精神でいこか。この際やから究極の図書委員極めて」


余韻のやかましい名前を無視し、速やかにヘッドフォンを装着した財前君。なんとも賢い選択。

図書委員、ということは…?
end.

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わらびもち

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