…ゴキゲンな理由 

「お?ジローじゃん。今日はちゃんと部活動に励む日か。」

「何言ってんのー!毎日励んでるC!」

「昨日思いっきり朝練すっぽかして放課後もほぼ寝てたくせによくそんな平気で嘘つけるなお前。」

「んなことない!実はすっげートレーニングしてるもん、夢の中で。」

「また夢の中かよ!ノーカンだからなそれ!」


放課後の部室にてジャージに袖を通してたら意気揚々と入室してきたのは慈郎。数秒遅れて宍戸も。

宍戸が先着の鳳に挨拶する中、慈郎はロッカー前に来るなり急いでジャージに着替え始めた。


「今日はやる気に満ちてんな?」

「まぁね!誰かさんのおかげで!」

「あっそー。誰?」

「ん〜、うーんとねぇ、教えない。」

「教える気ないなら悩むフリしないでくんねーかな。」


単純な慈郎のことだから、クラスメイトにお菓子分けてもらったとかそこらへんだろうな。

ジャージのチャックを顎下まで上げながら、ひとつ気になってたことを聞くことにした。


「昼休みのとき裏庭で昼寝してたじゃん。あのあと名前に起こしてもらったのか?」

「ん?あ〜名前と一緒だったの!」

「たまたま一緒になってさー。俺は移動授業があったから、そのまま名前に任せてきたんだけど」

「えー!じゃあ岳人のおかげかぁ。そっか、えへへ。」

「あ?何が」

「ううん!ちゃ〜んと起こしてもらったよ、名前に!」


なんだ、起こしてもらったのか。
自分第一の名前のことだから颯爽と見捨てて帰ってんじゃないかと思ったけど。心配する必要はなかったみたいだな!

その後1分も経たないうちジャージ姿になった慈郎は、バンッとロッカーを閉めながら出口方面へ向かった。


「じゃ、おっ先〜!早く来てよね宍戸、待ってるからさ!」


着替えていた宍戸の後ろを通り過ぎるついでに背中を引っ叩いた慈郎。
『どらてぇ!』ってよくわからん言葉で叫ぶ宍戸と『大丈夫すかシシドサァン!』のドデカボイスが響く部室内などお構いなしに、そんままドアから飛び出してった。

シャツ脱いでる最中だったからめっちゃ素肌に食らってたなー。バチョーンて鳴ってたし、赤くなっちゃってるし。


「なぁ宍戸、ジローと打ち合うの?」

「ってて……ああ、まぁな。」

「あいつ今日妙に機嫌いいよな!あんだけ元気なら歯応えのある打ち合いできんじゃね?」

「それはまぁ楽しみだが…、どういう風の吹き回しだろうな。理由聞いても全然答えねぇし…あいつ午後の授業もずっと起きてたんだぜ?」

「へーそうなんだ。体育だったとか?」

「違ぇ。古典の授業。」

「え……?それジロー本人じゃねぇんじゃないの…中身入れ替わってるとか…」

「俺たちと同じようなこと言うんだな岳人も。」

「夜中の学校の階段途中にある鏡に自分の姿を映すと鏡の世界の自分と入れ替わってしまうといった風な都市伝説がありますよねぇ。」

「おっ、まっ!!へっ変なとこで怖い話してくんなテメェ日吉お前!!!」

「おや向日さん、怖いんですか。」

「っくねーよ!怖くねー!!天気が良くてテニス日和だから機嫌いいだけだろ!?」

「はあ。随分とおめでたい頭の持ち主ですね向日さん。」

「なぁ、長太郎はどう思うよ。慈郎のヤツがなんでこんなに機嫌がいいのか。」

「そりゃ宍戸さんと打ち合いができるからだと思います!あの、慈郎さんの次お願いしていいすか!」

「あっ?おう!いいぜ!」

〜あんまり真面目に考える気ナッシング部員たち〜


…ゴキゲンな理由
end.

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わらびもち

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