同人誌的な展開は同人誌の中でだけ
数日後。
無事名前の追試も終わったっちゅー事で、休日使って最近流行りの有名な甘味処に食べ来とった。
どれ頼もかな〜って向かいに座っとる名前と一緒にメニュー広げながら、俺は隣におった人物に声かけた。
「財前は何するん?」
「白玉ぜんざい一択ですわ」
「ぜんざい君がざいぜん好きってめっちゃおもろいなー!」
「逆。」
「ほんまや…ぜんざい君がざいぜん好きってめっちゃおもろいなー!」
「いや全然訂正できてへんし!ぜんざい君て!擬人化か!」
うっかり名前の影響による発言してもうたら、財前に冷え切った眼差しを向けられた。
やめてや…つい名前と喋ってる時の癖で出てもうてんやん…
そんな先輩に容赦のない後輩。財前がなんで俺の隣に座ってるかと言うとや!
あん時、俺と仲良しこよしする代わりに白玉ぜんざいが美味で人気の店についつきてほしい頼まれた。
名前付きっちゅー条件で。
俺は財前と2人で行こう思ってたんやけど、そう言うたら丁重にお断りされてん。
第一にこの甘味処。人気や言うても、女性に人気のある店やということ。
『そないな所に男2人とか無理すわ』っちゅーことで、中和係として名前が参加することになった。
地味に傷付くけど、女だらけの中に男だけポツンとおったら落ち着かへんらしいわ。
何よりも名前がおったら謙光見せれるし、一石二鳥やん!
てな感じで、今に至る訳やな!
つまり俺と財前が隣同士な理由は、概ね察してもらえてるやろうから言わんぞ?
向かいに座っとるかわい子ちゃんはえらい満足そうで、俺も嬉しいわ…ちょっと複雑やけど。
「クリームあんみつと、抹茶パフェと…この白玉ぜんざいお願いします」
俺が言った注文をそのまま店員さんが繰り返して、失礼します〜って退散してった。
ここの和菓子はどれも美味しいしハズレがないって聞いとるから、楽しみやわ!
「ここほんま美味しいやんね〜」
「知ってはるんですか」
「前に金ちゃんと食べに来たことあんねん!」
「ちょ、えらい仲ええなオイ!プライベートで会うほどかいな!」
「わかりやすいくらい嫉妬してますやん」
「うっさいな、別にしてへんし!金ちゃんにそういう気無いって知ってるし!」
「あっちにその気がなくても、苗字さんにあったらどないするんですか」
「えっ…?」
「やや、そんなイジワル言うて……さては謙也の気を引こうとしてるな!?」
そこですかさず財前の頭がカクンと落ちた。
こ、これは、ズッコケる手前の控えめでマイルドなズッコケの『コケッ』や!
すごいわ、いよいよこの子にもそういうノリがわかってきてんなぁ…!
後輩のお笑いスキルの成長に感激しとったら、財前が額に手を当てながらため息をついた。
「そういえば腐女子やったん、忘れてましたわ」
「どうやの、狙ってんのか謙也をー!」
「狙ってません」
「えっ、狙ってないのん…?」
「なんでガッカリしとんねん!そこは喜べや!」
「なんや謙也さん、思い切りユウジ先輩の立ち位置なってますね」
「いやいや、流石にそれはないやろ」
「っややわぁ!ぜんざい君の謙也さん呼びめっちゃ可愛い!」
「おい浮気か!死なすど!?」
「(めっちゃユウジ先輩やし、財前やし、ツッコミたないわ〜もう)」
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わらびもち