お前のせいだからな
──現在、いつもの帰り道。
「一緒に帰るの久しぶり〜!」
「いや、昨日一緒に帰ったばかりだろ」
「じゃなくて!3人で帰るのが、だよ!」
「そうだね。部活で時間が合わなかったりしたから、こうやって3人で帰るのは久しぶりだなぁ」
鳳と名前、どちらかと2人で帰ることはあったが、3人揃って帰る事はしばらくなかった。
こうなったのは試験期間のため早めに帰宅できるのと、今日は部活がなかったせいだ。
俺は普段通りに帰るつもりだったが、名前が事前に連絡をしてきたんでな。
明日は3人で帰ろうって、めんどくさい奴だ。
「2人とも、このあと予定ある?」
「聞いてどうするんだ」
「だって、寄り道したいじゃん」
「はあ?そんな暇ないね」
「えー、またそろばんを理由に断るの?」
「そろばんは立派な理由になるだろが」
「18時からでしょ?今13時だよ?」
「お前と違って俺には色々とやる事が決まってるんだよ。」
「おいっ!まるで私が暇人みたいな言い方して!」
「その通りだろ?」
「その通りだよ!!」
「ま、まぁまぁ…でも、なんだか懐かしいな」
「ん?懐かしい?」
「うん。俺たちがまだ中学に入る前、こんな風にやりとりしてたなぁって。」
中学入る前って、どんだけ昔の話をしてるんだか。
でも確かに、こんなくだらないやりとりしてたような記憶はあるな。
「小学生くらいの時かな?あの時もこうやってもめたけど、結局来てくれたんだよね〜若」
「日吉、あの時はなんで気が変わったの?」
「えーーと、確かぬれせんべいに釣られてだったと思う!」
「へっ。そこまで単純な理由じゃないだろ。お前じゃあるまいし」
「ほんと昔と変わらず口悪いなぁ!でも来てくれるんでしょ?」
「行かないね。ましてやぬれせんべいで釣れると思ったら大間違いだからな。」
「も〜。いいじゃない今日くらい。テスト最終日だし、はめ外そうよ!」
「帰ってテストの自己採点するんだよ。」
「この生真面目め!!」
生真面目?自己採点するのは普通のことだろ。
寄り道なんて、ただ当てもなくブラブラするだけで何も楽しくない。
名前の事だから、更に無計画だろ。
「名前ちゃん、日吉もいろいろとやる事があるんだよ。また今度にしよう?」
「なんだよっ!今日くらいしかないのに……長太郎君も用事あるの?」
「俺は特にないけど…でも」
「じゃあ寄り道できるね!」
「え?だ、だけど日吉が」
「若は帰るんでしょ?だから2人でデートしよ!」
「で、ででっ、デート!?」
「うん!学校帰りに2人で寄り道〜は立派なデートじゃない?」
「ええっ……!」
鳳が顔を真っ赤にしておどおどし始めた。
だが名前の場合、絶対そんなつもりで言ってない。
女友達と2人で寄り道するときにもデート、だなんて軽く使うからなこいつは。
…デートって言葉に過剰に反応するあたり、鳳は名前を意識してるのか?
それとも名前自体じゃなく、デートって言葉にただ照れているだけなのか。
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わらびもち