お前のせいだからな 

「若?家あっちでしょ?」

「は?……ああ。」


分かれ道に差しかかった事に気付かず、2人についてってしまった。
このまま行ったら大通りに出る。俺の家はこっちじゃない。

Uターンして自宅へ続く道に戻ろうとすると、名前が俺に向かって手を振った。


「じゃあ、またね〜!」

「ほ、ほんとに…?」

「ん?どうしたの…やっぱり何か用事あった?なら無理しなくて」

「ううん!ない、ないから…大丈夫だよ」

「ほんと?じゃあ行こ!」

「うん。日吉、また明日ね」


別れの挨拶をすると、2人は背を向けて歩き出した。
俺も同じように背を向けたが、足が動かない。
家路につくための一歩が踏み出せない。

背後からは2人の会話が聞こえてくる。


「どこか行きたいところ、決まってたりするの?」

「タピオカ!タピオカ飲みに行きたいんだ!」

「ああ、それ最近ブームだよね。俺飲んだ事ないんだ」

「もったいない!すっごい美味しいから長太郎君も気にいるよ!私なんか今週で5回は飲みに行ったね。」

「ええ?それはちょっと飲みすぎじゃない?」

「それだけ美味しいってこと!でもカロリー馬鹿にならないから控えなきゃと思ってるよ…」

「でも、今から飲みに行くんだよね?」

「うん!!」

「潔いね。でも名前ちゃんのそういうとこ、」

「おい」

「んっ?あれ、どうしたの?」


回れ右をして、2人の背後から声をかけた。
別にこんな事するつもり、なかったはずなんだが。


「行き先が決まってるならそう言えよ」

「え?タピオカの事?」

「ああ。優柔不断なお前の事だから、途方もなく彷徨うかと思ったんだよ。あとそれ飲みたかったやつ。」

「なんだ、そうなの?若が流行に興味持つとか珍しいね!」

「いや普通に飲みたいと思ってただけだし、そもそも流行る前から飲んでみたかったし。」

「わかったわかった…じゃあ予定通り3人で寄り道しよ!」

「うん。日吉、タピオカ楽しみだね?」

「…へんっ」


鳳は特に変な顔をするわけでもなく、むしろいつもの穏やかすぎてうざいくらいの優しい顔をしていた。
名前と2人きりじゃなくなって、不満じゃないのか?

…不満だと思ってたのは、俺のほうか?


「ほら、やっぱりあの時と同じで食べもので釣れたね〜若クンよ。」

「たまたまだろ、目的が被っただけで」

「でも嬉しいなぁ、また3人で遊べるんだから」

「うん!タピオカに圧倒的感謝!」


確かにあのときはぬれせんべいに釣られたかもしれない。認めてやる。
でも今回は食べ物のせいじゃなくて、


お前のせいだからな
end.

おまけ→→→

-4-

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わらびもち

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