桃色
05
『影山さん、一言もらえるかな?』
邪魔だった。
『ほら見て、この特集「バレー美女代表」、やっぱ綺麗だわー影山さん!』
そんな称号いらなかった。
誰か見てよ。ちゃんと私のバレーを。
容姿を褒められれば褒められるほど虚しさは募るばかりだった。
日本代表に選ばれ知名度は更に上がった。
「少なくとも俺はちゃんと見てきたよ。お前のバレー」
「…」
ずっと、ただ純粋に自分をバレー選手として評価してほしかった。自然と涙が頬を伝った。
「中学の時、私と及川のプレーが似てるって誰かが言ってた」
突然名前は中学の頃の話を始めた。ポツリ、ポツリと当時の出来事を紡ぐように。
「私も及川も天才じゃない。チームの力を倍にする采配センス、バレー馬鹿なところも一緒」
馬鹿は余計だと及川は眉を顰める。けれども話を遮ろうとはしなかった。
「けどね、似て非なるものなの。着いていきたい背中ってそういるものじゃない」
普段はちゃらけているけど、チームメイトは及川の実力を認めて信じて着いていく。100%信じる事ができる人って中々いるものではなかった。
私も及川の言葉なら信じる事ができた。
「ありがと、及川。周囲の注目もパワーに換えてこそ日本代表って言いたいんでしょ」
「!その眼、影山らしくなったじゃん」
名前はニッと笑ってみせた。それを見て及川も笑った。
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