桃色

01


バレーが好きだ。

天才って言われるほどの才能は持ち合わせてこなかったが、恵まれていると思う。

「本日のゲストは美人すぎると話題のバレー選手でーす!」

小綺麗にセットされた髪型に、撮影のために用意された服に身を包み、少しだけ降格を上げてお辞儀をする。

何なんだ。

「影山さん、今日もよかったよー。あ、あの有名化粧品ブランドからCMオファーがきるけどどうかな?チームの意向的には出てほしいって言われてて…」

一体、何なんだ。

自宅に帰ると、寝室のベッドに飛び込んで天井を見た。寝室にも置いてあるバレーボールを手に取ると、オーバーで上に跳ねさせる。重力に従って落ちてくるボールをまた上げる。先程と同じ高さ、同じ速さで。

有名人になりたいなんて、微塵も考えていない。ただ強いチームに入り勝ちたかった。試合がテレビで放送されていようと関係ない。私は私のバレーボールができていればそれでいい。

初めて、テレビ出演のオファーを受けた時を思い出す。

「私に…ですか…?」

「そう!影山さん高校の時から美人で有名だったでしょ?うちのチームを支えると思って少しでいいから出てほしいんだよねぇ」

スポンサーからの依頼であったらしい。D1に属しているチームではあるものの、知名度や資本金が他と比べると劣っている。
それを解決するべく、私に白羽の矢が立った。

「バレーだけさせてって言うのは、わがままなのかな…」

ぽつり、私以外誰もいない寝室に声が響いた。

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