桃色
02
「全国大会進出がかかった大会ですね。影山さん、一言お願いできますか?」
高校時代。インターハイの全国大会をかけた予選にカメラは来た。普通の高校生の選手としてはカメラの数が多かった。
「ーーーー」
ハッと目が覚める。時計を見ると朝の6時を過ぎていた。いつもならランニングをするために家を出る時間だ。
少し寝過ごしてしまった分、出かける準備に時間をかけてられなかった。適当にブラシで髪を梳かし、スポーツウェアに着替えて家を出る。
走っている最中に、スマホが鳴った。連絡先に入れていない番号からだ。目覚めて時間が経ってないからか、いつもよりも判断が鈍っていた。何を考えたのか、私はその電話を取った。
「もしもし。影山ですが、どちら…」
「あ、影山。俺だよ」
言い終わる前に遮られた声は男で聞き覚えのある懐かしい声だった。
「…及川?」
恐る恐る、覚えのある男性の名前を言葉にした。
「ピンポーンッ!あ、でも、国際通話ってお金かかるからそんなに長くは話せれないけど落ち込まないでね」
「…!そっか。今アルゼンチンだっけ」
人伝いに彼の行動は聞いていた。それはぶっ飛んだものだったから記憶に残っていて、その国際通話というワードでつながった。
「及川と話せなくても落ち込みはしないけど、どうしたの突然」
電話越しに、えっと拍子抜けした声が聞こえる。久しぶりの彼との会話が、昔と変わらないものだから、少し安心した。
「アルゼンチンに来てよ」
「…はい?」
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