次回予告






兄は、神様みたいな人だった。

「ねぇ、浅右衛門さん。貴方の名前を、いつか教えてくれる?」
「・・・・・・たった一人にあげちまったんだ、もうあげられるもんは残ってない」

「へーあんたが特級?首斬り浅右衛門、ねぇ」
俺と勝負しようぜ、どっちが最強か。ここで決めよう。

「つれねーの。教えてくれてもいいじゃねぇか、なぁ」
「にーちゃん、あんまり当主に迷惑かけんなよ」


「地獄は一人じゃ渡れねェだろ?連れてけよ」
最愛を失った冷めた喪失感と冷徹で張り詰めた憎悪を瞳に宿しながらそれでも穏やかに笑うイザナに、慶一郎は目を閉じた。
「いいぜ」

「これから俺たちは、共犯者だ」

すまないペルラ。
俺が幸せになることはなさそうだ。そして、こいつも。お前が誰よりも溺愛していたこいつを、どん底に突き落とすのをどうか、赦さないでくれ。
お前の弟を地獄へ引き摺り込むことをどうか、赦さないでくれ。
お前との約束を守れない俺を、笑ってくれ。



第二章【びいどろの夢から醒めた日】

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