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海賊王ゴール・D・ロジャーとして人生を終えたら、ロゼリアという可愛い女の子になっていた件について。
なんだそれ。誰も読まねぇよそんなラノベ。
思わず前世、いや前々世の記憶がつっこんでしまうが、いやほんと、笑い事じゃない。きっと自分のことでなければ海賊のおっさんが女の子に性転換転生とかなにそれって笑えたのだろうが、何を隠そうそれになってしまったのはロジャー、ではなくロゼリアである。
あのとき自分は確実に死んだはずなのになんで女の子になってんの?とか言いたいことはいろいろあるが、「まあ偉大なる航路だし」と納得した。なんでもありなのがこの世界である。多分。
今は、おそらく自分の死から十何年かした後なんだろう。ニューゲート、白ひげが四皇になっていたし、あの鼻垂れだったシャンクスもそこにいて。懐かしいなァとくつくつ笑ってたら、バギーの手配書も見つけて顔が綻んでしまった。懐かしい面々だ。元気にやっているようで何より。まあ、今のただの小娘である俺が会うことはないだろうけど。
そうそう、最近手配書で見たけれど、モンキー・D・ルフィがいたから、原作に突入しているらしい。エースの手配書も見かけた。ちゃんと飯食えてるかなぁなんて、親らしいことなんて一つもしてやれないのに、そんなことを思ってしまう。思わず苦笑した。
その手配書たちを見て、それから朧げにも思い浮かべた顔に目を閉じた。やめよう。俺は過去の遺物だ。今ここにいるのはロゼリア。ロジャーじゃない。会いに行ったところで、なんになる?そもそも、あいつにどうやって俺がロジャーだって信じてもらう?そんなことできやしない。もう、俺はロゼリアなんだから。
だから、相棒が、レイリーが元気にしてるから見たいとか、会いに行きたいとか、そういうのは。
「・・・・・・女々しいなァ、俺」
ただ、もう会うことはなかったろう仲間にもう一度会いたい。それを封じ込めているだけなのに。
どうしても、こういうときに湿っぽくなってしまうのは、やはり女になったからなんだろうか。
「ま、会いに行ったら行ったで、『何しにきたんだ亡霊が』とか呆れ顔で言いそうだけどな!だってレイリーだし!」
